人間関係 コミュニケーション

人間関係で大事なこと

人間関係で一番大事な要素は、お互いを認め合い尊重することなのですが、お互いの自由意志を認めることができず、相手の領域に対して、様々な価値判断を下すということが起きています。

そしてもっと大変なのは、相手のすることを変えたり怒ったりします。

 

ここではコミュニケーションの大事な要素をみていきましょう。

<相手をそのまま受け取る>

相手の言葉をそのまま聞かず、自分なりの解釈をすることがあります。

例えば、あなたはとても美しいという言葉を相手が言ったとしましょう。

すると受け手は、そのまま受け取らず、きっとお世辞を言って、本当は何かをたくらんでいるかもしれないとか、私を気遣っていってくれているとか、色々な推測で物事を捉えて、ちゃんと相手が送ってくれる思いを受け取らないことがあります。

きっとこの人は嘘をついているに違いないとか曲げて受け取るのです。

 

<相手を変えようとする心理に気づく>

 

コミュニケーションで相手を変えようとしたくなる心理について。

 

期待を越えて強い要求、又は罪悪感を植えつけて、正しくなければならないのではないかという問題を相手につきつけます。

この場合、相手が自分が禁止していることを、いとも簡単にやって見せてくれる場合におきます。

又は相手の中に見たくない、感じたくないフィーリングを感じた場合、自分のその感情、フィーリングに耐えられなくなるので、相手を変えよう、又は変わらなければならないと要求することになります。

 

<相手の感情にひきずられないこと>

 

 受動的攻撃性のところで書きましたが、主体的に生きていない場合、誰かの指示や誰かの概念に従っている場合、相手に好かれなければならない必要性が出てきます。相手の感情にひきずられてしまうのは、排除されることや認めてもらえないことでストレスを感じるため、相手の感情に同意しなければならないと思っているためです。

 

女性特有の「みんな一緒よね?」という暗黙のルールが、それに従いたくない、同意したくない気持ちになった時、グループから抜ける選択ができないと、自分を責め、自分の意見を封印して誰かに従って生きることになります。

 

それが自分や周りに嘘をつき誤魔化し続けて生きることになり、受動的攻撃性の始まりとなっていきます。

人間関係で大事なことは、自分と相手の両方を尊重すること、そして相手をそのまま受け取り、それに対して反応を返すことです。

主体的に自己を表現していなければ、相手をそのまま受け取ることができません。

 

 

いい人の罠 バランスのとれない関係を作っているのは自分 受動的攻撃性

今から書く案件は、仕事上での人間関係だけに起きるものではなく、恋人との関係、友人との関係などなど、どの関係性でも起きうる可能性を含んでいる。

 

 

 

MさんとTさんは年齢も近く男同士。

 

仕事の取引先と10年以上の付き合いで、仕事だけでなくプライベートでも飲みにいく関係性の二人だった。

 

 

 

お互い自営業で会社を経営し、仕事でも助け合ってきた。

 

 

 

 

今回起きた出来事は、今までも二人の間で何度も起きたことである。

 

TさんはMさんに、とある仕事を依頼する。

 

 

 

 

依頼したものは特殊な仕事で、通常300万円以上から、場合によっては1000万円単位の見積もりがでるような仕事で、長期に渡って何人ものチームで、作り上げるような手が込んでいて難しい仕事だ。

 

 

 

 

誰もができるものではなく、それなりの技術と頭脳を持ち、何年もかけて得てきた経験が必要になる仕事だ。

 

 

 

 

いわゆるその道のエキスパートのMさんに、Tさんは仕事の依頼を出した。

 

 

 

 

二人の間でのことなので、最高にいいものを取り入れて作ろうということで、仕事が進んでいったが

 

最初の段階での金額の設定をおおまかにしか決めていなかったため、問題が起きてしまった。

 

 

 

 

当初は100万という金額からスタートして、進んでいくうちに、いいものや必要なものが出てきたら

 

そこから金額を上乗せしていこうといくという、おおまかな約束でスタートした。

 

 

 

 

Mさんは殆どの仕事を一人でこなし、一日16時間近く仕事をした。

 

 

 

 

一つ一つ手作業でTさんの要望に応えながら、1か月で最高のものが出来上がってきた。

 

 

 

 

最終の段階が見えてきた時点で、TさんはMさんに100万円しか支払わない形になっていた。

 

通常でいけば300万円以上になる仕事なのに、金額をうやむやにしたのだった。

 

 

 

 

Mさんは突然、Tさんにメールをだし、この仕事は最初からなかったことにしてほしい。

 

今後、君との付き合いは一切やめたいと思うという内容のメールを出した。

 

 

 

 

昼間までニコニコして要望に応えていたMさんは、突然、夜になって怒りだし、作り上げたものを全部壊し、Tさんとの付き合いも止めようとしたのだった。

 

 

 

 

このMさんの反応を注意して見てもらいたい。

 

MさんはTさんの被害者になっていると思い、怒りをあらわにし、彼を切ろうとした。

 

 

 

 

怒りを表し、彼を裁くだけでは、問題解決には至らないのがお分かり頂けるだろうか?

 

 

 

 

私達は殆どの場合、感情を相手にぶつけ、相手を裁くことで問題から目を背けようとする行為に走りやすい。

 

 

 

 

怒りを相手にぶつけることは、解決にならないどころか、マイナスになる。

 

 

 

 

16時間以上一か月もかかった時間。

 

振り込まれるであろう金額。

 

相手を嫌いになることにエネルギーを向け続けていくことは、とてつもないマイナスだ。

 

 

 

 

MさんはTさんが自分のしたことに対して、ちゃんとした評価をしてくれるであろうと期待し、自分がやった仕事への金額を自分で提示し、交渉すればよいだけの話である。

 

 

 

 

このように、自分の欲求を隠し、相手がしてくれるであろうと期待し

 

自分の本心を隠して、外側でいい顔をして対応する。

 

 

 

 

期待に応えてもらったらラッキーだが、期待に応えてもらえない時、自分のほしいものをお願いして交渉するのではなく、怒りを相手にぶつけるやり方をすることを受動的攻撃性という。

 

 

 

いい人の顔を続け、自分を大事にしないと、被害者を自分で引き受け、相手を加害者にし、問題や欲求は解決されず、怒りを自分の内側に取り込み、他者を憎み、嫌いになる。

 

 

 

人間関係がうまくいかない原因は、自分の欲求を隠した受動的攻撃性にある原因の場合がある。